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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2019年12月3日(火)

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知事記者会見

2019年12月3日(火)


知事発表:本県の優れた技能者に関わるお話、第22回全国農業担い手サミットinしずおかの開催、医療健康産業政策に関する山梨県との連携協定の締結
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
(記者質問)文化力の拠点の形成、雨畑ダムの堆砂問題
(記者質問)駿河湾フェリー
(記者質問)地域医療構想、東富士演習場
(記者質問)桜を見る会、御前崎市産業廃棄物処理施設

知事発表:本県の優れた技能者に関わるお話、第22回全国農業担い手サミットinしずおかの開催、医療健康産業政策に関する山梨県との連携協定の締結

(知事)

 今日の花は、赤はガーベラ、赤く黄色いやつはグロリオサ、これがね。それから銀色は、銀アプライト、これですね、アプライト、白い枝はさらしみつまた、これですね。それから緑はこれですね、雪冠杉、雪をかぶった杉と。それから葉っぱはモンステラでございます。

【本県の優れた技能者に関わるお話】

 さて、発表項目は三つであります。まず、最初は、本県の優れた技能者に関わるお話でありますけれども、マリ・クリスティーヌさんから伺ったお話なんですけれども、11月22日に人づくり・学校づくり実践委員会が開催されました。委員会終了後、委員を当初からお務めいただいているマリ・クリスティーヌさんがどうしても伝えたい話があると知事室に突然訪ねてこられまして、お聞きしたお話でございますけれども、10月の台風19号で、マリさんが経営されている神奈川県の旅館の屋根瓦が大きく損壊したとのことでございました。修理を頼もうにも台風で大きな被害を受けた千葉県内に、神奈川県の瓦職人の多くの方々が出向いてられて人手がないという状況で、対応に困られていたそうです。そこでたまたま以前お世話になった松崎町役場に相談されたとのことです。松崎町がお世話になってるんだと思いますけれども、相談されると、すぐに2人の瓦職人の方がいるという紹介をもらったそうです。それで職人はいらっしゃると。しかし、屋根瓦自体がないということだったので、修理に相当の時間がかかると思われたところ、その職人さんたちが以前古い民家を解体した際に出た屋根瓦をちゃんと保存していると。それを利用してすぐに修理に取りかかられたそうです。それ本当に驚かれたみたいですね。この高い技術に裏打ちされた本県の松崎の職人さんの対応、また良い物を捨てない松崎の文化ですね、心掛けが素晴らしいとマリさんは大変感心されていました。ここ数年全国各地で甚大な被害をもたらす自然災害が発生していますけれども、職人の皆さんは県外にも出向いて災害復旧に積極的に携わっていただいているということでございます。また、技能士の全国大会技能グランプリでの本県選手、瓦職人もいらっしゃいますけれども、そういう選手の活躍など、職人技術の高さが本県にはございまして、それを全国に示しているところでございますが、今回マリさんのお話を承りまして、私も大変県民のこの匠の技に、またその職人さんに誇りを持った次第でございます。こうした優れた技能者に支えられた、技術、技能を尊重する社会づくりを一層進めていきたいと思った次第であります。

【「第22回全国農業担い手サミットinしずおか」の開催】

 二つ目でございますが、「第22回全国農業担い手サミットinしずおか」の開催についてであります。テーマは「深めよう農のキズナ 高め合おう ふじのくにから 〜日本の未来のために〜」というテーマで、第22回全国農業担い手サミット静岡大会を寛仁親王のお妃でいらっしゃいます信子殿下にご臨席を賜りまして開催いたします。12月5日、6日、今週の木曜日と金曜日でありますけれども、グランシップを主会場として行います。このサミットでは全国の優良経営体の表彰や、県内の担い手からのメッセージを発表するほか、県内各地で情報交換会や現地研修会を開催いたします。本県の多彩な農産物や加工品によるおもてなし、スマート農業などの技術展示など、本県農業の魅力や技術の発信も行う予定にしております。全国からお集まりいただきました皆さまに本県の多彩で活力ある農業に触れていただくとともに、活発な交流で絆を深めていただきたいと思っております。また、このサミットを我が国および本県農業のさらなる発展につながる、その契機になる大会としたいと考えているところであります。

【医療健康産業政策に関する山梨県との連携協定の締結】

 三つ目、最後の事項でございますけれども、医療健康産業政策に関する山梨県との連携協定の締結についてであります。静岡県は医療健康産業の集積を目指して、ファルマバレープロジェクトを推進してまいりました。ご案内の通りであります。その結果、約50の地域企業が薬事法という高い壁を乗り越えて医療健康産業に参入しておりまして、本県の医薬品医療機器の合計生産金額は9年連続全国1位をキープしております。一方、隣接する山梨県は長崎幸太郎知事さんが就任されまして、長崎知事の肝いりの政策として、甲府盆地から静岡県東部地域を結ぶ一帯に、医療健康産業の集積を目指す、メディカル・デバイス・コリドー構想を今年度から推進されております。言ってみれば、ふじのくに奥座敷の山梨県とふじのくにの表玄関、この静岡県の両方を結ぶふじのくにメディカル・デバイス・コリドーというものでございまして、両県のプロジェクトの相互連携を深め、ファルマバレープロジェクトを一段格上げするといいますか、上のステージへと発展させるために、今月17日に山梨県と医療健康産業政策に関する連携協定を締結することといたしました。両県に集積している企業の優れた技術力の活用、また産学官の連携強化により、世界展望を視野に入れた医療機器等の開発を進め、世界トップクラスの健康長寿地域であるふじのくに表玄関、奥座敷ともにですね、医療分野の質の向上と地域経済の活性化を図ってまいります。先ほど今月17日と申しましたけども、これはその日に都内で開催する静岡ファルマバレープロジェクトセミナーがございます。そのセミナーの会場におきまして、山口建静岡がんセンター総長立ち会いのもとで提携を締結をいたします。山梨県と富士山を通じた連携などが進んでおりますけれども、この一層の連携が図られまして、ふじのくにづくりをともに進めていきたいと考えているところであります。私の発表は以上であります。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(幹事社)

 ありがとうございました。それでは発表項目について質問がありましたらお願いいたします。よろしいですか。では幹事社質問に移らせていただきます。よろしくお願いします。リニア中央新幹線の関連で2点質問がございます。1点目は、今、川勝知事は、国、県、JR東海との新しい協議の場に環境省や農林水産省の関与を要望されております。一方で国側が担当は国交省の鉄道局だという見解でいます。この新たな協議の場の枠組みについては現状どこまで話し合いが進んでいるのでしょうか。また、協議の開始の見通しはいつごろになるんでしょうか。お聞かせください。2点目は、先日、国交省鉄道局の江口審議官が、大井川の流域10市町に足を運んで意見聴取を終えました。県として今後国がどのような形で流域10市町に関わることを望んでいらっしゃるのか、お聞かせください。

(知事)

 どうも、リニア新幹線に関わる二つの質問ありがとうございました。最初のご質問でございますけれども、新たな協議の場の枠組みにつきましては現在国交省さんの方で検討されていると理解しておりますが、協議開始の見通しについては、その連絡がございませんので、かれこれ1カ月以上になりますね。申し上げようがないというところでございます。そして大井川中下流域における住民の皆さまの生活、産業、自然環境など、さまざまな分野に深刻かつ重大な悪影響を及ぼしかねない、この悪影響を排除するためには、関係省庁が国を挙げて対処する新しい枠組みが構築されるべきではないかというふうに思っております。

 二つ目のご質問でございますけれども、今回の江口さんによる意見聴取で10市町の首長の皆さまは、異口同音に、それぞれの地域の生活、産業ならびに自然環境にとって、大井川の水がかけがえのない命の水であることを切々と訴えられたと承知しております。この思いをしっかり受け止めていただきまして、リニア工事に伴うさまざまな課題等への責任を持って対処されることが必要であると思いますが、この水の問題は、もうすでに鉄道局の言ってみれば、縄張りを超えてるというふうに思っておりまして、そこで、私どもは、環境省とか農水省とか、あるいは水、水道水ということになりますと厚生労働省ですし、また産業水となりますと経産省ですし、南アルプスのエコパークに関しましては、これは文科省でありますから、こうしたところがやはり、それぞれのお立場を明確にされなければならないと。これは意見を聴取というよりも、この水の問題というのは、極めて大きな問題として浮上してきていると思っております。

 ちなみに、平成26年の前半期に、環境影響評価というのが出たわけですけれども、このときに、水循環基本法というのが制定されまして、それを受けまして、県では、改正した地下水の採取に関する条例を平成30年4月から施行しております。皆さんもご案内のとおりでありますけれども、そこで、地下水に関して基本理念をうたっているわけです。地下水は共有の県の財産であるということでいいますと、地下水の採取に関する条例は、通常、地下水条例といっておりますけれども、この地下水条例の第2条の2、ここに基本理念が書かれておりますけれども、地下水は県民共有の貴重な財産であると、公共性の高いものであると、こういうふうにうたっております。そして、知事は、帯水層の存する地域の地下水の採取の状況を把握しなければならない。また知事は県民に対して地下水の採取の状況および水位の検討その他の地下水に関する情報を提供しなければならないと、こういうことであります。言ってみれば、共有の財産というのは、誰のものでもあるということですね。同時に誰のものでもないということで、昔でいう入会地のようなもので、そこで、必要なまきを取りに行くとか。さまざまな肥料の原料を取りにいくとかですね、そういう入会地、英語で言うコモンズと、だから地下水はコモンズであるという、こういうことがうたわれております。この地下水は南アルプスから、この表面に流れるいわゆる公共の公水、公の水としての大井川と、それからその地下を流れる、この地下水といったようなものとして、この循環を維持しなきゃならないというのが水循環基本法で、この地下水についての基本的な考え方というのが、いわば、例えば記者さんの家の下に井戸を掘りたいと。それはあなたの家の土地ですから、あなたの水なんですね、私の水になります。しかしながら、この地下水全体として見た場合には、これは誰もが使えるという意味で共有水、公共の水と、いわば私の水の間にある地下水は共有水であるという理念がうたわれておりますので、そういう観点に、立たねばならないというふうに思っております。そして、この水に関わる省庁は鉄道局というよりも、農水省でしょう、あるいは経産省でしょう。あるいは厚生労働省でしょう。そうしたことから、国交省だけではこの水の問題については、コントロールできる権限を超えてるというのが、恐らく江口審議官が報告されて、今国交省が抱えてる問題ではないかというふうに私は思います。

 ちなみにこれに関連しまして、いろいろ資料を見ていたら、2014年の静岡新聞、6月11日の記事なんですけれども、国交省は、6月10日リニア中央新幹線の環境影響評価について協議した自民党の特別委員会で、トンネル掘削工事で大井川の流量減少の影響が出た場合、同省が事業者のJR東海に対して施工停止を命令できるという見解を示したと。井林辰憲氏の質問に答えたとあります。井林氏によると国交省は環境影響を回避できる工法の提案がなければ施工を許可しないとの前提を示した上で、不測の事態が発生すれば、施工停止を命令できると説明したということであります。一方、環境省は同委員会でリニア工事による流量変化が最も大きいと見込まれる沿線の河川として大井川を挙げられたとのことであります。そういうわけで、今から思うと、井林さん本当にご立派だと思いますね。2014年ですから、もう5年余り前のことですけれども、こうした国交省の、言質をしっかりとっておられたということを再見したということでありまして、従って今、環境影響を回避できる工法の提案がなければ、今提案がない状況です。ですから、施工を許可しないとの、いわば命令ができるとのことでございますから、そういう事態にもなってるんじゃないかと思っております。補足いたしました。

(幹事社)

 ありがとうございました。幹事社から追加で質問させてください。新しい協議の場の設定に国と県とJRと3者合意して1カ月以上が経っています。知事はなぜこの協議の場の設定が進まないとお考えなんでしょうか。何が障害になっていると考えたのでしょうか。

(知事)

 何と言っても、鉄道局というのは、認可した当局なわけですね。そして、2027年、これに間に合わせるべく、JR東海に仕事してもらうということのために設定されたというふうに拝察しているところです。しかし、江口審議官が回られたところ、これは尋常ならざる水問題というものがあると。トンネルの水をトンネル外に排出するということで済む問題ではないということに気付かれたと思います。それからもう一つは、この台風19号の影響も大きいかと思います。台風19号で、畑薙からも、畑薙に行く道もそうなんですけど、畑薙から西俣のヤードに行く、この27.8キロの道ですけれども、これが寸断されて、そして今、仮道を造っていると。そこでもし事故が起こったときに救急車も入れる状態ではないということになって、これを復旧するにもすごく時間がかかると思いますね。

 この間、ここに難波副知事、また宇野副社長、国交省の関係者が一緒に入られて、そのヤードが壊滅してる状態をご覧になったと。そしてそのヤードに行くのにもちろん車も入れませんので、2時間ばかり歩かなきゃいけなかったということでございますから、往復4時間ということなんですかね。それから、あのときだれか一緒に行かれましたか。岸上さんが行かれたと。後で報告してもらいたいと思うくらいですけれども。ともあれ、相当厳しいと。それから私どもの提案として、この畑薙っていうのは、これは特種東海製紙が管理されていると同時に、林道でありますけど特種東海製紙の許可がないと入れないところでありますけれども、そこに行く道、いわゆる三峰落合線とそれから閑蔵線、両方とも山道ですね。この道を当初は、夜に入るっていうことだったんですよ。それは危ないということで、何しろ地盤が緩んでおりますし、もともとこの間6月13日だったでしょうか、行ったときも道路が波打ってました。下から削られて、ガードレールがゆがんでると、ぶつかったとかじゃなくて下が削り取られて、それで道路が波打ってるわけですが、そういう地盤のところに夜に入って事故でも起こったら大変だから、ということで明るいうちに行ってくださいと。そして帰りも閑蔵線のところも見てくださいと申し上げたんですが、やはり恐らく岸上さんも経験されたことと思いますけれども、三峰落合線というのは相当長い20キロ以上の道のりでありまして、相当細い道を行かなくちゃいけないし、夕方になると濃霧が出ることがあります。そうしたところの一部にトンネル掘るということで、今、静岡市とJR東海の約束がございまして、しかし、それでもって安全な道が確保されるわけではないので、恐らく閑蔵線もご覧になってのことですから、閑蔵線ですと、山道に入る直前まで片側1車線ずつ、2車線で入れると。そして、トンネルを抜ければ畑薙の作業現場の入口といいますか、作業道に入るところにまで行けるので、そちらのこの選択肢についても、考えられた可能性もあります。

 ですから、今前に進める状況じゃないということが、やっぱり国交省も南アルプスは、これは尋常ではないというふうに今、問題の大きさに手をこまねいてらっしゃるというふうに思っております。それが国交省の方から、われわれが出しました中間意見書に対するJR東海の回答書とその両方に対して、国交省からまだ文書での返事も来ませんし、滞ってる理由ではないかというふうに思います。

(幹事社)

 もう1点だけ追加で教えてください。2019年もあと1カ月を切りましたけれども、知事は年内にどうしても何らかの協議を進める必要があるとお考えなのか、時間軸といいますか、スケジュール感についてはどのように考えてらっしゃるんでしょうか。

(知事)

 私どもは別に、今日明日の問題ではありませんが、大事なことは、東俣線といいますか、畑薙から、ともかくそこに作業員が入っていくわけですから、そこはともかく早く林道を整備しなきゃいけないというふうに思いますね。それから、やれるところからやらなくちゃいけないと思いますけれども、そこの畑薙に行く、つまり作業道に入る山道、閑蔵線と、三峰落合線ですけれども、これについても、作業道に入る直前の道までどうするんだということで、もともと考えられていた閑蔵線も、当然、視野に入れなくちゃいけないと。そうしたところがきちっと整備されなければ、もしものときに、こういう台風の被害だとか、あるいはその豪雨だとか、あるいは山崩れとか不意のことが起こったときに、人を助けることができませんでね。そうしたことに照らしますと、何も12月31日までに、何かできるかというよりも、協議するよりも、今JR東海さん、あるいは静岡市が、あるいは場合によっては川根本町さんが三者で話し合って、どういうふうにすると、作業道を少なくとも安全に整備できるかということについて協議するというふうなことはあってもいいかもしれませんが、私はもう三峰落合線などというのは、通ったらすぐ分かりますよね。ああいうところをずっと通って毎日作業させるっていうのはおかしいと思う。危険ですよ。それをまずきちっとすることが先決ではないかと思います。本体工事なんか到底入れるような状態でないし、もうこの台風19号によって、少なくとも1年ほどは、工期が延びるということになるでしょう。そもそも西俣のヤードまで行けないわけですから、トラックも重機も入れませんよ。あの状態で、そういう状態になってますから、まずそこまでの安全を確保するというのが、事業者としての責任であるというふうに思います。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(幹事社)

 ありがとうございました。それではリニアの関連について各社質問がございましたらお願いします。

(知事)

 記者さんの方から若干の説明を含めて、これちょっと説明してもらいたいと、状況。ここでやってください。これは僕の要請です。ここでやってください。今私が言ってることが間違ってるかどうかも含めて。

(記者)

 一言だけ。西俣のヤードについては、知事がおっしゃるとおり、視察のときは二軒小屋の発電所まで車で入っていって、多分同じ説明を先週、田島参事がされたと思うんですが、そこから歩いて行く道がありまして、そこからいきなり非常に険しい道を、道路を迂回(うかい)するように進んでいくんですけれども。それはなぜかっていうと、そこまで行く道がずたずたになっている状況を私は見てきました。おっしゃるようになかなかテレビ、先日放送でも話しましたけど、例えば今年度中に着工したいと思ってるJR東海側の意向あるかもしれませんが、それなかなか難しいのではないかと思ったのが正直な感想でした。

ヤードは、写真で先日田島参事からいただいた写真を見た感じ、ヤード自体は全く被害を受けていない状態っていうの、私はつぶさに分からないので、単純に比較はできないんですけれども、やっぱそこに至るまでの道がないことに、通れないことによって、これ以上の大掛かりな工事を始めるのはなかなか難しいんじゃないかなと思ったのが正直な感想です。以上です。

(知事)

 皆さんの代表で行ったんでしょ。この情報は共有した方がいいと。情報は減るもんじゃありませんからね。みんなで共有すればいいということだと思います。

(幹事社)

 あらためまして、知事へのリニア関係の質問がありましたらお願いします。

(記者)

 リニア関連なんですけれども、先ほどお話にもあったように江口審議官が流域の自治体を回ったということで、それぞれの自治体の首長さんは、個別の面談というものを拒否して、やっぱりこれ県に窓口を一元化しているので、それで進めていきたいということで、知事は先日一致団結してるということで非常に感動したというふうにおっしゃられていました。ただ先日の静岡市の会見で、田辺市長は依頼があれば面会を受け入れるというふうに話しています。これについては、流域自治体という意味では一つ一枚岩になっていないという状況かと思われますけれども、知事はどんなふうにお感じになっていますでしょうか。そこを教えてください。

(知事)

 そうですね。JR東海さんと、静岡市、実際金子社長と市長さんが高度な政治判断でこのトンネルを掘るという、この協定を結んだということは、衝撃が走ったわけですね。誰も知らなかったわけです。そして取付工事は静岡市がなさると。それでトンネルは、JR東海さんが掘られると、これにも驚いたわけです。トンネルは取付工事がなければできませんから。取付工事分は公費の負担になるでしょう。ですから、こうした、いわばJR東海にとって有利な協定が結ばれたということについて、今、この10市町の中から、背信行為だ、裏切りだと、いわば抜け駆けだとか、非常に厳しい、これ取り消しなさいという意見も出てるわけですね。ですからその当初から連携はなかったということではないかと思います。しかしこれは非常に不幸なことですね。むしろ作業道、これは静岡市の管轄する林道でありますけれども、そこに行く道というのは複数あって、それぞれ市町の利害はあるかもしれませんけれども、その作業を円滑に進めたいということであれば、比較考量しなくちゃいけないので、差し当たって閑蔵線と三峰落合線と、これどちらがいいかと。一応断ってはじめて、いわば協定結んだほうがいいと、大きなお金が動きますからね。結果的に私どもは、要するに10人のうち10人が、閑蔵線から作業道に入るのが、一番近い安全で確実だと思ってたのがひっくり返ったわけでしょ。説明につきましては、それがもともとの約束だったからとおっしゃってますけれども、それはそれとして作業道の安全という観点からいたしますと、これについても、まだ一貫として、不信の念が関係者の間にあるということでありまして、一等最初からこのリニアに対して、静岡市だけが独自にされたことにつきましては、今に始まったことではないということですね。

(記者)

 すみません、じゃあちょっと追加なんですけれども、静岡市はこれまでJR東海との向き合い方については、環境保全の面と、地域振興、両立することを考えて交渉しているというふうに田辺市長は話していますけれども、この環境保全面っていうのが、大井川って、静岡市の市域でもありますけれども、そういったことが、どんなことが話し合われているのかってことが見えてきませんし、一方でこの地域振興っていうのが、実質その140億円とされるそのトンネル整備のことなのかなというふうには感じますけども、こうした交渉の内容、向き合い方については、知事はどんなふうに感じてらっしゃいますか。

(知事)

 不透明ですね。ですから、その環境保全は、今でもこれは南アルプスエコパークですし、静岡市、この井川の方と川根本町、これが預かってるわけですね。ですからこの静岡市は、それ以外の8市町村、つまり山梨県と長野県とそれぞれ南アルプスエコパークとして、核心地域、緩衝地域、移行地域ってのがあってですね、まさにこのJR東海のこのリニア新幹線の通るところは、この間ノ岳、要するに大井川の本当の源流ですね。それと赤石のちょうど間ぐらいのところを通るわけでしょう。まさに核心地域のところ通るわけですね。ですから環境保全については最も敏感でなくてはいけないということですが、その中身については環境保全という、その言葉以外のものはないですよね。水量、水質、生態系、それから排出土砂の管理、あるいはその他もろもろ中間意見書で出たようなことについて、静岡市の方で独自に何か交渉されたというふうなことは伝わってきませんわね。地域振興ってのはもちろん全幹法に、全国新幹線、その整備法にうたわれてることなんですけども、もし三峰落合線のトンネル工事だっていうことであれば、私は、これはそもそもその重機を取付工事のところまで持っていくのに、その林道を通っていかなくちゃいけません。かなり長いですよ。そして林道のところも通っていって、トンネルの取付工事のとこまでいって、そして取付工事をやって、そしてそこにJR東海さんの関係者が入ってトンネル掘って、ということになるわけですね。この動きはまだないですよね。何もしてないんじゃないかということで。ですからやっぱり作業に従事してる方がいらっしゃるので、そうした人たちのことを考えながら、静岡市として動かれるべきではないかと。ですからこの他の10市町とのコミュニケーションが皆無であったと。いやむしろ、意図的にしなかったという可能性もですね、見受けられるので、これは非常に不幸なことだと。孤立してるんじゃないですか。

(記者)

 すみません。じゃ最後に今に始まったことではないということですけど、今からでも、例えば歩調を合わせるべきだとか、一緒に交渉すべきだというようなご意見はありますでしょうか、お気持ちは。

(知事)

 ともかく、県と別にしまして、今、県とJR東海と向き合ってますね。そして、それぞれ何が問題になってるかっていうことについて、40項目以上のことについて突きつけて、それに対する回答が不十分だということになってるわけですね。こうした事柄は、誰に対しても共通ですから、ですから静岡市も静岡市で完結するわけでありませんから、お隣の市町、非常に心配されてるわけですね。それを自分の気持ちとしてやる必要があるので、もうトンネルの件については、閑蔵線と三峰落合線。これについて、どちらが本当に環境保全になり、地域振興になり、作業員の安全に資するのかという、これは、それこそ11市町ですか、静岡市を入れてですね、常に連携を言われてるので、そういうスローガンもありますからね。そのスローガンを形にするってことが大切で、県と一緒にやるっていうことではなくて、10市町との連携を常に言われてるわけでしょ。そういう意味では、それを、約束を実行なさるべきだと。それはやっぱり頭、一回下げなくちゃいけないんじゃないですか。抜け駆けというか、いわば裏切り行為ですからね。それをなさったわけですから。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 リニアの関係で、11月の会見のときに、知事は水嶋鉄道局長が難波さんを痛罵叱責(しっせき)したというふうに厳しく批判されてました。これで、県は鉄道局に対してだいぶ不信感とか警戒感を持ってしまったのかと思うんですけれども、この件に関して、鉄道局側もしくは国交省側から、県に対して謝罪とか釈明はあったんでしょうか。また、県から正式に抗議したりとかっていうことをしたんでしょうか。

(知事)

 抗議をしてません。謝罪もありません。おかしなことだと思ってます。

(記者)

 今の件ですとか、あと冒頭におっしゃった、1カ月以上国交省側から連絡がないということとか、そういうことがあって、県としては、知事としては今でもその国がうまく仲介してくれるという期待っていうのは、以前と変わらず持っていらっしゃるのか。それとも、国が仲介に入ってくれても思ったほどドラスティックに変わらないな、もうちょっとやってくれると思ってたのになあ、というような気持ちでしょうか。

(知事)

 国は、実質は国交省鉄道局ですからね。ですから大変に大きな期待を持ってました。そして、うちの2人が、呼びつけられる形で、全部クローズドの形で、そしていわば、謝らされたわけでしょ。情報が漏れたと、その確たる証拠もなしに。だからその件は、やっぱり秘密であるとまずいなというふうに思いましたね。それから、その後の動きは、大嘗祭がありまして、それから大響の儀っていうのがありました。この大響の儀、お昼から始まるんですけども、11時ぐらいから来るように言われておりまして、それで宮中に、私は割りに早くに行ってたわけですが、周りに椅子があるわけです。だけど、限られた椅子なので、最初に来た人は座れますけど、後の人は立って談笑されてるわけですね。そのときに、藤田事務次官が寄ってこられましてね。そして10分ばかり話をしたんですが、大変困ってるというふうにおっしゃってましたので、ですから国交省自体が、最高トップが困ってると。問題が非常に広まって、ちょっと収拾がつきにくくなってるというふうなことを打ち明けておられまして、「どうしたらいいか」と、一緒に考えようということで、だから、リニアとそれから南アルプスと両立させる方法はどうしたことがいいかと、全体これを仕切るのは国ですからね。認可してるわけですから。だから工法などにつきましても、ここまで具体的には言ってませんけども、JR東海さんは難しいところから始めているわけですね。品川の駅、南アルプス、それから名古屋駅と、そこから始めるというやり方をとったわけです。こうした工法などにつきましても、やりやすいところからやるっていう方法もあるでしょう。それから、もちろんリニア中央新幹線の認可が出たときに、これは大阪まで通じてはじめてリニア新幹線のその効果があるという付帯意見まで付いているわけですね。

 ですから、どういうふうにすればいいかということについては、いろいろとご指導できる立場にあるわけですよ。もともと2045年だったのが、3兆円の財投が出たので、2037年まで、早まりましたね。それを受けて、三重県知事さんは2033年まで早めてくれとまで、NHKのナビゲーションという番組の中で紹介されているわけです。これ記者に聞いたら、ちゃんとこれは、確証した上で流したとおっしゃってる。では2033年ってどうして言えるんですか。それはそこを先やってくれと。2027年から始めたってできませんよ。ですから、その2037年が今目標だとすれば、8年早まったわけでしょう、3兆円で。2027年と2033年は、6年か。だから、ちょっとお金を出せばできるのかもしれないということがありますよね。そもそも何で2045年だったんでしょうか。それは、JR東海さんの事業計画におきまして、まず名古屋までやって、そこでその利益を得て、それなりの投資ができる体力を付けてからやるということだったんでしょう。その体力って何でしょうか、利益です。つまりお金です。そのお金が国から3兆円出たわけですね。ということであれば、それで解決できるという問題もある。これを誰がお決めになるんですか。JR東海じゃないです、国ですね。国交省の鉄道局を中心にした仕事でしょう。ですから国の役割はいろいろあると思いますよ。こうした一般論を、他にも話しましたけれども、藤田さんと話をいたしました。ですから私は、リニア新幹線に反対しているわけでもありませんし、この3大都市圏を結ぶというリニアの意義は、十二分に認めてるものでありますから、ですからこれと、南アルプスをどう両立させるかということがポイントですねということだけは言いましたよ。

 どうしたらいいかということですね。私は私の考えを持ってますので、そうしたことは、藤田さんも、川勝が国土審議会の委員として20年余り、常に国のことを考えてきたということは重々承知してるってこともおっしゃったぐらいですから、だから、そういうところはね、信頼関係はあるんですよ。だけど今の国交省の状況では、手詰まり感があって、非常に気の毒だと思ってるんですが、しかし水の問題は国交省だけではありませんからね。今や他のところが関与しているので、言ってみれば大臣級、場合によっては菅さんなり、そういうレベルの方たちの判断も必要になってくるんじゃないかとすら思っております。

 ちなみに水が大事か、速度が大事かと。記者さんとしてはどちらをとりますか。

(記者) 

 私が静岡県民でいる限りは、水が。

(知事)

 そういう県中心主義というのも、それぞれあるわけですね、地域中心主義と。しかし水を取るか、リニアを取るかということになったら、これは二者択一になって大変大きな議論になると思いますよ。例えば、リニアの場合には非常に大きな電力を消費します。それは、今のところは自然再生エネルギーだけでは非常に難しいですよ。そうすると、原発などというのは、最も重要な電力源だと思いますね。ところが、中部電力は、浜岡原子力発電所が動いてません。動く気配は極めて希薄です。そして、東電は今ああいう状態であります。では関電はどうでしょうか。大きな不正がありました。だから、これの再稼働は難しくなってると。だからエネルギー代どうするんだっていう問題が出てきたらどうなりますか。そうすると、通っても一体どれぐらいお金がかかるんだと。それからまた非常口はちゃんとあるのかという問題が、これは危機管理の専門家、西先生から出てるし、これについては、ミスター危機管理ともいうべき小川和久さんが、安全を第一にするJR東海において、こんなことを放置できるはずがないとまで言われております。ですから、さまざまな観点からいくと、水かもしリニアかということになれば、21世紀は環境技術の世紀であり、今、COP25が開かれております。そして水の問題は中長期の問題ではないと。今まさにわれわれに迫ってる今日の問題だ、命の問題だ、生活の問題だと言ってるわけですね。どっちを取るかということになりますと、答えは割りと明確に出てくる可能性があると。そうすると、リニアか水かってことになります。リニアは厳しくなると、だからなるべく早く行動しなきゃなりませんということを強く、そこまで詳しく言ってませんけれども、相手もよく、事情通じている方ですから、藤田さんとは、二者択一になる前に手を打たなくちゃならないという、そういう態度を示されてました。

(記者)

 リニアの関係で2点お伺いします。山梨県で発生している沢枯れ、井戸水枯れについてなんですが、12月に入って、報道各社で山梨県内での水枯れ事例について報道される機会が増えたように感じております。こうした動きについてJR東海の関係者からは、静岡県が懸念する掘削現場から100キロほど離れた中下流域の地下水への影響と、山梨県の掘削現場付近の沢枯れ、井戸枯れというのは、これ構造的に全く別の問題というふうな声が聞かれているんですが、この点に関して1点目として、県としては山梨県で報告されてるような沢枯れ、井戸枯れについての情報収集をしているのかどうか。

 2点目として、こうした先進事例に対する知事の所感と、そういった他県での、先に水がなくなっている状況について、今後JR東海との協議に反映できる教訓などがあれば教えてください。

(知事)

 情報収集は体系的にやってるわけではありませんけれども、これは報道やそれから静岡県内における事例からも、トンネル掘れば、水枯れが起こるという、掛川でも起こっておりまして、これは新東名を造ったとき、それに沢が枯れたとか、その滝が枯れたとかってのがあります。東部の事例では、丹那盆地もございます。ですから、トンネルであれば、それこそ黒部のダムじゃありませんけども、必ず山っていうのは、いわゆる水源ですから、水脈がいっぱい走ってるわけですね。富士山見ればすぐ分かるでしょう。川がないわけです。皆地下に染み込んで、それが柿田川だとか、その他もろもろのところで湧き上がってるわけですね。あるいは駿河湾からから湧き出てるわけです。ですから、水というのは表流水だけじゃなくて、地下の水脈を通っていってると。ですから、100キロ離れてるから関係ないというのは、これは暴論ですよ。もう一言で言えば暴論ですね。だから水循環法読みなさいというふうに申し上げたい。そして、今静岡県の条例において、地下水は共有財産だ、共有水であるとしっかりうたっているわけですね。その地下水に依存してるのが、その大井川の流域の地下水に依存している企業が、たくさんあるわけです。挙げればきりがないぐらいたくさんあります。しかもそこに有名企業があります。その方たちが、この水脈が関係してることをご存知だから、これについて、懸念を表明されるのはもっともなことだというふうに思っておりまして、トンネルを掘れば水が枯れる。こういう因果関係は、もうこれまでの事例からすれば、わざわざ言うまでもないと。ただ、それを、どの水がどのように枯れたかというのを実証するのは極めて難しい。実証責任がどこにあるかっていうと、「いや、枯れた方にある」というのが今状況ですね。仮にまた枯れた場合、どのぐらい間違いなくトンネルによって枯れたとすれば、どれぐらい補償するか、これも期限がありますね。しかし、この何百年続いてきたこの生活が、全部根こそぎ奪われるということになった場合に、そういう補償は補償としていえるのかという、そういうご懸念もあるのももっともなことで、ですからわれわれは、この水については一滴たりと譲らないという島田市長さんのお考えは、残り10市町と共有されてるんではないかと思っております。

(記者)

 ありがとうございます。




(記者質問)文化力の拠点の形成、雨畑ダムの堆砂問題

(幹事社)

 それではリニア以外の質問について何かありましたらお願いします。

(記者)

 二つ伺いたいんですけど、まず1点目は文化力の拠点についてなんですけれども、知事、昨日の所信表明の中で、県が主体になって中央図書館機能など先行整備して、民間の参入をその後促すというような、方針を今までとちょっと変更するような考え方を表明されました。5年ほど、文化力の拠点という名目で検討がこれまで行われてきましたけれども、そもそも目指していた構想が現実に即していなかったのではないかとも捉えられるんですけれども、そのへんのお考えはいかがでしょうか。

文化力の拠点の形成

(知事)

 それは、誤ってます。文化力の拠点において、学習機能あるいは情報発信機能、情報収集機能というものを持とうと、そしてまた大学コンソーシアムを持とうというのがありました。しかし、県立の中央図書館ですね、これがもう使えないと。そこに稀覯(きこう)書を置いて、いわゆる普通の人たちが勉強するような、市民のための図書館機能を持つものを持ってくるということだったわけですよ。これが、緊急事態になりまして、全部持ってこなくちゃいけなくなった。これが平成29年のことです。そして、図書館関係の方々から、なるべく早く、1日も早く、ともかくこれを造ってくれということになったので、これは県立図書館ですから、東静岡駅にもともと図書館機能を持たせるということであったわけですが、それを全面的に図書館機能を持てるようにするということになったので、従来のものから変わったというのも、変わったのはそういう事情によるわけですね。

 そしてもう一つは、図書館に行って、皆さんも行かれると思いますけれども、11時ぐらいになると腹が減るでしょう。12時までちょっと待とうと、12時になると皆行くからもう少し早めに行こうか、あるいは1時から行こうと。お腹が減ります。私は大学の18ぐらいから図書館に行って、ご飯は外で食べて、夕飯も外で食べて、大学図書館で閉館までいると。オックスフォードでもそうでした。9時45分までいると。10時に閉館ですから、そういう生活してきたんですよ。それでも、やっぱりお腹が減ると力が入らんのです。

 ですから、そこで、その食の都、茶の都、花の都も合わせてっていうわけですけれども、ここの中で一番大事なのは何でしょうか。茶の都はもちろん茶の都ミュージアムがありますけれども、お茶と食はほとんど一体ですね。もちろん、3時のおやつにお茶を飲むってこともありますけれども、食とお茶は一体だと。お花は、言ってみれば、全体としてそういうものを大切にすると。富士山にお花が似合うので、あそこは富士山が見られるから、花の都っていう面もやりましょうということでしたけれども、基本的に食なんですね。だから図書館と食は一体にすると。食は図書館に来ない方も楽しめますから、従って西部、中部、東部、ワンフロア全部だと恐らく10件以上が入るでしょう。それでお昼ですから、どうですかね、そばの好きな人、それからラーメンの好きな人、あるいはとんかつが好きな人、いろんな人がいらっしゃると思いますが、そうしたものが選べるような、いわば食の都と言っておりますけれども、そうしたものを体感できるような西中東のそれぞれの、食の都の仕事人が今何人いましたかね。493人いらっしゃるわけです。そういう方たちとのお知恵も拝借しながら、そこで食を楽しめるようにすると。もちろん、お茶もお菓子もそうであります。ですからこれは、これまで食の都づくりをやってきましたから、これが二つです。あと、情報機能としてコンソーシアムは、これはもう譲れないというのもございますので、そういう機能を図書館機能と併設させるということがありますけれども、コアの部分が変わったということですね。図書館が核になったということです。そして食は変わらないと。そして情報発信機能として、付随しているコンソーシアムだとか、その他もろもろのことも、併せてそこに入れましょうと。それからもう一つございます。それは、もともと、静岡市長さんも出席されて、あそこの東静岡駅、あるいは東静岡を拠点にした地域をどうつくるかということで、高階秀爾(たかしな しゅうじ)先生、あるいは芳賀徹先生など、相当の方たちを入れてやって、そして最終的には、伊藤滋先生まで入ってやったわけですが、そのときに、陸の玄関口は東静岡だと。海の玄関口は清水だと。その間にある日本平ですね、こうしたものも含めて、そこ全体を文化力のいわばエリアにしていくということだったわけですよ。そのときに、東静岡に限って言えば、この海側は、これを文化力の拠点。そして、陸側ですね、北側は、これはスポーツの殿堂ということにするということで、それは市がなさるということだと。それでなかなか決まらなかったので、差し当たっては、スケボーですか、それを仮にオリンピックまではそれで使うということだったわけですね。これはもうオリンピック来年来ますから。だから今、東静岡を降りて、山側に行くとスポーツの殿堂、海側に行くと図書館を中心にした食の都となっておりますから、これも合わせてできるのが望ましいと。

 今、市長さんが、この文化会館をアリーナにするとおっしゃいましたが、アリーナについての希望は非常に強いです、従来から。もともとそこもアリーナ造るってことでございましたから、そこができますからね。ですからそういうふうにすると、そのスポーツと、それから文化力の拠点が一緒にできると、県市一体でできるということで、そうしたその打ち合わせも今、事務レベルで進行しているということで、なるべく早くそうしたことがオープンになるべくして、皆さんが楽しめるようにしたいというふうにも思っております。

雨畑ダムの堆砂問題

(記者)

 すみません、もう1点。全く別件なんですけども。雨畑ダムの関係で、先日、山梨県の長崎知事が雨畑ダムを視察に行きまして、堆砂問題について日本軽金属に対して厳しい姿勢で臨む考えをあらためて示しました。川勝知事も、先月の全国知事会で関連の発言をされておりますけれども、とりわけ富士川水系の濁りだったり、サクラエビとの関連で、どのようなお考えかちょっと確認させていただければ。

(知事)

 基本的に、長崎知事さんと同じ考えです。ヘドロを取らなくちゃいけないということですね。そして、管理してるのは日軽金さんですから、そしてただ、こういうダムの堆砂っていうのは全国的な問題なので、私はこの件を全国知事会で、今ご案内のように、御法川国交副大臣に質したところ、わざわざ雨畑ダムという名前も挙げられたわけですね、私、富士川のことは言いましたけれども、ですから、富士川は、山梨と静岡ふじのくにの一帯に関わることなので、非常に関心を持っておりまして、現在私が今してることは、早川町長さんから来てくれと言われてますので、そう遠くない将来に僕自身も見に行きたいと思っております。それと同時に、この堆砂というのは運び出したところ、どこに持っていったらいいんでしょうか。これ考えないといけないと。そうすると、仮にこれが盛り土に使えるならね、使えばいいと思ってるんですが、それが使えるものかどうかということで、まだ報告が上がってないんですけど、仮にそれがですよ、盛り土に使えるということであれば、それでもって防潮堤の整備だとか、その危機管理の材料にもなるということで、ですから、国交省もご関心を持ってらっしゃるってことなので、私自身も久しぶりにこの辻さんとお目にかかって、直にその雨畑の実態も見たいと思います。年内には何とか時間見つけて、訪問しようと思っております。




(記者質問)駿河湾フェリー

(記者)

 駿河湾フェリーの新しい経営形態がスタートして半年が経ちました。で、台風が相次いできたとかいろんな条件がありますけども、基本的にはなかなか目標に厳しい状況が続いているという中で、抜本的な取り組みの、今後変えていくというお考えだったりだとか、どういう目線が必要か。先般の会見では災害時の機能も含めたフェリーだってお話をされてましたけども、実質上、県と周辺の市町が出資しているという中で、目標等に厳しいという状況が続いていると。そこをどうしていくかっていうことについてちょっと教えていただけますでしょうか。

(知事)

 まあ半年もたったっていうか、半年しかたってないということですよね。そして、いわば不測の天候の不順で乗客が少なかったということもあります。従って、差し当たって考えられるいろいろなイベントを関係者考えてらっしゃるんですよ。それが抜本的なものになるかどうかは別です。ただし、多くの方々にヘルプしていただくためのイベントをしたいということも、それはそれとしてやりましょうということで。抜本的ということになりますと、例えば3市3町といっても、下田市、南伊豆、それから松崎、西伊豆と入ってるんですね。ですから賀茂地域の方が入ってるわけですよ。だから港は遠いですよね。これはですから、この沼津なわけですね。土肥、面白いですかね。土肥はね2回か3回行くと金鉱もあるし、それなりに面白いんですが。他のところに行かなくちゃいけないと。だから内陸に入るかあるいは海沿いに、136号線を下るかということになりますが、そうすると松崎っていうのは先ほどの例もあります、素晴らしいところです。西伊豆も素晴らしいと。南伊豆をもっと素晴らしいという人もいます。そうすると松崎はじゃあ入れるかどうかと。このフェリーがですね。入れるというふうに一応報告を受けてるんです。また確証はしていただいてませんけど。仁科という港にも、西伊豆のそこにも入れるというふうなことを聞いてます。田子漁港も着岸できるということを聞いてるわけです。であれば、石廊崎を回ることができないと公海に出ることはできないということで。そういう状況の中で、駿河湾にとっての、環駿河湾を楽しむためのフェリーとして航路も含めて考える余地があると。もちろんこれは国交省の許可も得なくてはいけないんじゃないかと思います。航路変わる場合はですね。ですから、ただ松崎などは、松崎に行くとその北側の西伊豆、あるいは南側の南伊豆、あるいは反対側の下田にも出やすくなりますわね。そういうことも議論としてやっていこうと。これは抜本的なものであります。それから船体の、船体それ自体ではなく船内ですね、船内のお客様が楽しむ空間を今の時代にどういうふうにつくるかっていうことも今検討をしておりまして。

 私は天浜線のときに、つぶせと赤字だし、それが回復するのには何代目だったかな。長谷川君が行って、それから、鈴木さんが行って、それから植田君が行って、今、長谷川君がいるわけですが。2代目のときにですね、1代目のときには何とか赤字を解消して、今度黒字にしちゃったわけですね。ですから、やっぱり初めての経験でもあるので、立ち上がりはいずれも難しいというのを経験する方がいいと思っております。ですから3市3町のご協力をながら、起死回生を図りたいと、私は非常に楽観をしております。

(記者)

 補足で2点をお願いします。今のは、港は要は今の土肥と清水、清水、土肥から増やしていくというそういう考え方、航路がより伸びていろんなところに行きやすくなるという理解でいいのかというところが1点と、もう1点が今の時代どう楽しむか検討している、具体的にどんなアイディアがあるんでしょうかとその2点お願いします。

(知事)

 清水港は食の都でもあり、かつ、日本平も行けるし、三保の松原もありますからね、面白い。土肥は、土肥の港それ自体はどうですか、狭いですね。ですから土肥の港、それ自体の魅力の魅力づくりというのもそこに入ると思うんですね。しかしこれお金がかかりますね。松崎については着岸ができるかどうかということも含めて、それから三角形でいくのか、土肥に行って松崎に行って、また戻ってくるのがいいのかといったようなことがあると思うんですよ。こうしたものが、実は検討課題になってるわけですね。ですから、そうですね、私は来年度の当初予算で組めるように、もう集中的に皆さんとお話をして、当初予算に盛り込めるような形のところに持っていきたいというのが私の今の考えでありますが、何も一つも決まっておりません。ただ半額にするとか、コンパで使っていただくとか、宴会で使っていただくとか。若干そうしたことは、すでに報道されておりますので、それはそのとおりとしてやります。

(記者)

 当初予算で組んで体制検討だとか、こういう構想があるっていうシミュレーションをするという意味の予算ってことでいいですか。

(知事)

 今の経営形態も含めて、今、トップは誰でしたっけ、難波さんか。それも含めて、やっぱりいろいろ考えるべきことがあると思いますよ。誰がどういう形で経営するのがいいかっていうことも含めて、皆さんの了解を得て、やるということも含めて考えております。

(記者)

 ごめんなさい、あと最後の1点。今の時代どう楽しむかという何か秘策があれば教えてください。

(知事)

 海ですね。海、はい。山梨県の人たちはもう内陸県ですから、海なし県なので、海大好きなんですよ。ですから私は、山梨県の県議会で演説させていただければと思ってるぐらいです。それが一部、横内さんに提案したんですけれども、実現しないまま終わりましたけども。一体だとふじのくにとして、先ほどのメディカル・デバイス・コリドーも、ふじのくにのメディカル・デバイス・コリドーですから。こうしたことで、しかも来年は来年中に、中部横断自動車も開通するでしょう。ですから、あれは山梨県の港にも清水港はなるわけです。ふじのくにの港として。すなわち山梨県の港にもなるとというふうに思ってますから。ですから私そんなに、海を楽しみたい人はたくさんいるというふうに思っておりますから。しかも私はその文明の海洋史観とか書いて、もう目が覚めたときに一番最初に見たのは羽衣の海だったと。羽衣というところで生まれて、ただしこちらの羽衣ではありませんで、大阪府の羽衣ですけれども。ですから海に対する憧れは非常に強いものがあります。それは静岡県の方たちほとんどそうですね。そして何と山梨県人もそうだということでありますから、そういう今首都圏に今、広報かけてます。伊豆半島の広報がしていると。しかし伊豆半島が実は対岸の清水にも来れるんだということの広報は、やってなかったってことが分かりまして、いろんな形で今試みてますから。その東は東京が首都圏ですね、それから北は山梨県、そして県内一体ということで、楽しみにできると思ってるわけです。




(記者質問)地域医療構想、東富士演習場

地域医療構想

(記者)

 私も2点お伺いします。1点目は地域医療構想についてです。先々週の金曜日に厚労省の方が来られて、直接名指しされた病院の院長さんたちと対話集会が、あざれあであったわけですが。そこでデータの取り方が2年前の1カ月間のものだけであるとか、名指しの根拠が薄弱であるということで、名指しを撤回するようにと求められたのに対しても、それはできないというお答えと、それから名指しされた病院の再編とか機能分化に対しての考え方を示す締め切りが来年の9月という、これも延期してほしいというのも蹴られたわけで、基本的には厚労省としてはゼロ回答でした。一方名指しされた病院の方は、医師確保に苦労するとか風評被害が立っているという報告もありました。知事はこの地域医療構想に関して、どのように県として仲介役を務めていきたいとお考えでしょうか。

(知事)

 この名指しされた病院につきましては、前回、全国知事会でも話題になりまして、これは撤回するべきだというぐらい強い意見が出ました。これをまとめられたのは確か鳥取県の平井知事さんじゃなかったかと思いますけども。かなり具体的に首相が出てくる全国知事会だったのではないかと思うんですけど。それくらいこれは深刻に取り上げてですね、ああいう全国知事会というのは、特に閣僚とか首相のときには誰が発言するかっていうのは決められてるわけです。どなたが答えられるかっていうことも決められてるわけですね。首相が答えることは首相が答えられるわけですけれども。そうした中でも取り上げられてるというのは、実は知事会全体、つまり全国的な問題ですこれは。ですから、これから一波乱あるというふうに思ってますね。つまりやはりあれは短兵急だったと思います。個々の事情知らないで、もう全部、簡単な物差しでバーッてやったという。それはそれとして合理性がありますけれども。地域性個性、こうしたものを踏まえてないというのは、そのうっぷんがバーッと出てきてますから。それは地域の声として、医療を実際に担っていらっしゃる方にとっては切実な問題で、私も厚労省はけしからんと思ってます。

(記者)

 知事会だけじゃなくて、重ねて静岡県としてもこのリストの撤回を求めていくという考えはありますか。

(知事)

 そうですね、静岡県下のそうした病院と、市町関係のところもありますから、連携をとりながら、この件については地域に応じた形で、やっぱり地域包括ケアシステムはやっていかなくちゃいけないというのが、それぞれやってますからね今。ですからそれをやっぱり尊重していただきたいという観点からやっていきたいと思ってます。

東富士演習場

(記者)

 ありがとうございます。もう1点東富士演習場についてです。来年の3月で演習場の使用の更新期限を迎えます。周辺市町からすでに県からやっぱり仲介の労を取ってほしいという要望が上がっています。周辺市町としては、全面返還を求めていくという基本姿勢の上で、それがならなければ日米地位協定の改定というのも視野に入れて、米軍兵の飛行が非常に問題となっているので、安全安心のために求めていきたいという御殿場市長さんの話がございました。知事としてはやはり仲介役としてどのような役割を果たしていきたいとお考えですか。

(知事)

 文字通り仲介役ですね。そこに立ち会って、その協定の延長に対して、それを見守るという立場でありますが、その在日米軍のこの地位協定というのは不平等条約ですから、言ってみれば。昔でいう治外法権ですね。こうしたことを放置していくのは本当によろしくないと思ってますので、これは機会あるごとに言ってるところであります。だから今、御殿場市長さんが言われてる事柄には賛成です。だけど、市や県の役割というよりも、本当にこれは国の役割ですね。これ本当に国防に関わることは国に関わることなので。そういう声をやっぱり上げ続けていく必要があると思いますね。

(記者)

 ありがとうございました。




(記者質問)桜を見る会、御前崎市産業廃棄物処理施設

桜を見る会

(記者)

 政府主催の桜を見る会は今問題になってますけども、いろんな招待者の基準が明確でないとかいろいろ問題点はあるんですが。知事は安倍政権になる前でも、あるいは知事に就任される前でも、この桜を見る会に招待されたこと、参加されたことありますかというのが一つと、この問題についての所感をお聞かせください。

(知事)

 はい、小渕政権のときに、20世紀日本の構想懇談会の座長の1人でしたから、そのときに招待状が届きまして行きました。あと来たことがあったかどうか、いずれにしても来ても行きません。園遊会も、一度来まして、それで行きましたけれども、それ以降もお誘いが来ましたけども行っておりません。ああいうものは1回経験すればいいというふうに思いますが、今のような状況は非常におかしいと思ってますね。何しろ政治ショーみたいになってるわけでしょ。だから、これは、シュレッダーで全部資料を破壊したと言うのはおかしいですね。そういうようなことをなぜ国民が許してるのかなと思います。あるいは官僚の方も、そういうことやらされてるっていうのは、吏道っていうものを弱めるのではないかと思ってまして。私どもはこうしたことを契機に、中央政府とか東京の真似をするというよりも、このラグビーワールドカップなどを通じ、また世界クラスの資源群が90を超えるようになりまして、地域として自立するために、富士山に恥じないような、公人三則とかふじのくに公務員の心得八箇条というものに応じて、うそ偽りは言わないと、恥ずかしいことはしないということをうたっておりますけれども。そうした方針を貫いていきたいと。ああいう天下に恥をさらすような真似をして、のうのうとその地位に居座っているというのは、見苦しいとすら思います。

(記者)

 1回だけですか、小渕政権時代に。

(知事)

 1回きりです。

(記者)

 何年か覚えていますか。

(知事)

 小渕さんいたのは1998年から99年でしょ。ですから98年の7月に橋本政権が倒れて、98年の8月に所信表明なさって、99年に違いありません。2000年の時にはもう倒れられてましたね、確か。だから99年の春だと思います。

(記者)

 またそのとき覚えてるエピソード何かあれば。

(知事)

 広いですよね、新宿御苑は。そして、夫妻での招待だったわけですよ。だから家内と2人で行ったわけです。でも広いから、小さなところで人と談笑するというよりも、一部のところで首相ほか、そういう要人たちがまとまってるところがあったんですけど、そういうところは敬して遠ざけるという形で、私どもは歩いておったんですけども。エピソード、エピソードは、もうこれはいいですねっていうことで、うちのボスと結論になりまして、それ以降は、来てたかもしれませんけども、もう行かないと決めてました。1回行って行かないと決めてました。

御前崎市産業廃棄物処理施設

(記者)

 御前崎市で産廃処理施設の住民投票が告示されていますけれども、許認可権限のある知事としては御前崎の産廃処理施設についてどんなお考えをお持ちでしょうか。

(知事)

 まずこの件につきまして、住民投票、これを尊重された裄V御前崎市長さんの英断に敬意を表します。そしてまた、この住民の意向を尊重するという、裄V市長さんのこの決意表明にも、敬意を表したいと思います。聞くところによると、広く会議を興し万機公論に決することという五箇条の御誓文の第一条ですね。柳澤市長さんは、何かどっかに常に携行されていたですね、それ実行されてるということで、実にいいなあと思いますね。

(記者)

 知事自身としても住民投票の結果は尊重される意向でしょうか。

(知事)

 そうですとも。「住民のためのものに」の代表が市議会でしょ。しかもどこの市議会もそうかもしれませんけれども、一部のボスがいて、それが利権と結びついてやっているという、そういう風評もあって、それと私は裄Vさん、戦ってらっしゃるんじゃないかっていう、そういう気もしますし、それを他のところに対してかがみになるんではないかと。いうふうにすら思っています。

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